カレイ臭

カレー臭

今日は朝と昼にカレーを食べたのでカレー臭がするものです。

わたしは気づきませんでしたが、事務のおばさんが「志村君朝からカレー食べてきたでしょ?」

「はい、昨日の残りのカレーをぶっかけて食べてきたものです」

「カレーの匂いがすごくするけど歯磨いた?」

「え?歯磨きは毎朝するものですよ、それも朝は食前食後に」

「あっ、なんかズボンに染みがあるわよ」

「あっ、たぶん朝にカレーこぼしたのかも」

「それでよ、カレーの匂いがするもの」

「えっ、臭いですか?」

「いえいえ、そういう意味じゃないのよ、ただ今日のお昼の弁当がカレーだからどうかなと思って」

「大丈夫ですよ、カレーは好きなので毎日でも」

この事務のおばさんとはいつもこういう会話ばかりしているものですが、加齢臭でなくて良かったなどと思ったものです。

そもそも加齢臭とかいいますが、わたしはそんな匂いを嗅いだことがないものです。

だいたい人の匂いをクンクン嗅ぐほうが変だと思うものですが、ニンニク食べた後のほうが臭いのではないかと思うものです。

ニンニク食べたあとの口臭はさすがに意識しなくても臭ってくるものです。

まあ高齢化社会なのでみんな加齢臭になれば誰もそんな匂いは気にしなくなるのでしょう。

まあお孫さんがいらっしゃる方は「おじいちゃん臭い!」などとお孫さんに言われると軽くショックを受けるらしいですが、そんなに気にすることもないように思うものです。

だいたい大先輩にむかって「おじいちゃん臭い!」なんて正面から言えるのも子供くらいなものでしょう。


そういえばむかしあるお店のカウンターでお食事していたらものすごく強烈な屁の臭いがしてきたものです。

瞬時にその犯人が隣の若い茶髪のお姉さんだと気づきましたが、わたしは相手が女性ですし、その臭いに気づかないように配慮していたのですが、なんとそのお姉さんは「あの、オナラしました?」と初対面のわたしに平然と言ってきたのでした。

なんと初対面でしかも面識もなにもないわたしに罪をなすりつけてきたものです。

「えっ、わたしじゃありませんよ」と言うと、なにやら明らかに顔をひきつらせながら、「エッ、じゃあ誰この臭い」と言ってきたのです。

誰かに指摘される前に、早々とわたしに罪をなすりつけようという魂胆が顔ににじみ出ていたものです。

わたしは自分が屁をする時は「あっ、屁が出る!」とあらかじめ宣告したりするものです。
しかもすかしっ屁なんてしないものです。

だいたい屁の臭いを最初に指摘した人間が一番怪しいものです。

それをしゃあしゃあとわたしに罪をなすりつけてきたのには正直言って唖然としたものです。

わたしは本当に犯人じゃないものです。

こんな冤罪事案は日常にはよくあることですが、していないことをしたと言われるのは気分が悪いものです。


結局ほかのお客さんやお店の店員さんはわたしを明らかに疑っている様子でしたが、なぜにわたしが犯人に仕立て上げられなければならなかったのか、まずは第一発見者を疑うのが犯罪捜査のセオリーであるのは交番のおまわりさんに訊かなくても誰でもわかるものです。


あの何を食べたらこんなに臭うのかというくらい強烈な臭いをわたしは一生忘れないものです。



また同じ屁のお話しですが、こんなこともありました。


それもまた同じく料理屋さんでのことです。

そのお店は夫婦でしているのですが、結構その奥さんが美人だったものです。

そして閉店間際、わたしはおしっこがしたくなったのでトイレにいこうとしたら、ちょうどその奥さんが兼用のトイレにそそくさと入って行く時だったので、出てくるのを我慢していたものです。

もうかなり漏れそうなくらい我慢していたのですが、やはり女性が入ったすぐ後に入るのは失礼かと思い、それで奥さんが出てきてからしばらく約五分くらい待ってからトイレに行こうとしたら「あっ」とその奥さんが言うのを聞いたものです。

ですがそのままわたしはトイレに入りました。
そのお店のトイレはかなり広く、大の便器と小の便器がわかれているのですが、トイレに入った途端にこの世のものとは思えない大便の悪臭がするのでした。

わたしは何とも経験したことのない本当に吐き気がするほどの悪臭に食べたものを戻しそうになり、顔がひきつって眉間にシワがよったものです。

このままカウンターに戻ったらこの悪臭を嗅いだことが奥さんに悟られ、奥さんもかわいそうなので普段は見たこともないトイレの洗面台の鏡で自分の顔をみながら普通の顔を演じる練習までして何事もないようにカウンターに戻ったものです。

しかし女性とは恐ろしいものです。

おそらくは普段から屁を我慢しているので臭いが腸内で凝縮され、その凝縮され熟成されたものがあれほどまでの強烈な臭いを放つのだと後でいろいろ考えたものです。

そういえばむかし、「わたしのおならの匂いはバラの香り」などという一年したの女の子がいたものですが、本当なのかと真剣に考えたことがあるものです。

いやはや、今夜は女性だと思って気を使いすぎると、「この男はお人よしだから利用できる」などと足元を見られるこの世界にわたしは存在しているのだと、そんなことを思い出していたものです。



[ 2013/08/27 21:16 ] 怖い体験 | TB(0) | CM(2)

本物の落ち武者

honmono


まだわたしが小学生の頃の出来事でした。

今でこそ年上の子供が年下の子供に遊んであげるという光景をあまり見かけなくなったものですが、TVゲームなどまだ一部にしか普及していなかった当時は低学年の子供に高学年の子供が一緒に遊んであげるというのは当たり前の光景だったものです。

そんなわたしも近所のお兄ちゃんたちに竹弓や竹馬などの作り方や釣りの仕方やクワガタ虫のつかまえ方などいろんな遊びを教えてもらい、そして一緒に日が暮れるまで走り回ったものです。

季節は秋ごろだったでしょうか、お兄ちゃん達とわたしたち低学年のチビ軍団総勢20人くらいで山に基地をつくりにいった日のことです。

その山は採石場があったのか、半分くらい山肌が削られていました。

削られた部分は段々畑のようになっていて、それを登っていくと植林された松の雑木林がうっそうと広がっているのですが、わたしたちはそこに基地をつくることにしました。

用意してきたロープやビニール紐やノコギリやトンカチを駆使してわたしたちは基地を早速つくり始めたのでした。

だいぶん形が成ってきたところで「よっしゃ!今日はこのくらいにして今から周辺を探検しよう」と言うことになりました。

1部隊4人くらいで部隊を編成して、それぞれ基地から四方八方へ探検を開始して30分くらい雑木林を進んだ時でした。

同級生のY君が「おい、なんか向こうから歩いてくるぞ」と言うのでわたしたちは雑木林の中、目を凝らしながら誰かがいないか探しましたが誰もいません。

のら犬かなんかだろうとわたしが言うと「いや、人が落ち葉を踏みしめながら歩いてくる音がした」とY君は言うのです。

それでわたしたちも静かにして耳を澄ましました。

するとY君が言ったとおりわたしたちがいる20mくらい先からこちらへ歩いてくる足音がするのです!

それも戦国時代のドラマや映画で見たような鎧のガシャッ、ガシャッという重い音といっしょに間違いなくこちらへ向かって何者かが接近してくるのです。

わたしたちは怖くなって走り出したのですが、Y君だけ突っ立ったままでいるのです。

「おい!Y君! 早く逃げよう!」と言うとY君の上半身が見たこともないように震えるというか、振動し始めたのです。

「やばい、オレT先輩呼んで来る!」とK君が基地の方へ駆け出しました。

わたしはY君のもとへ駆け寄り「どうしたの? はやく逃げよう!」

ですがY君の顔は見たこともないくらい青白くなって口から泡みたいなものが出てきて
目が白めになるくらい上をむいているのです!

わたしは人生最大の恐怖を感じました。

わたしは「しっかりしろ!」と大声で叫びながらY君の背中を数回叩きました。

するとY君の震えがとまり青白い顔のままこう言うのです「血だらけの鎧の人が刀を持ってこっち来る」

わたしはまだ聴こえてくるその足音の方を見ました!

するととうとうわたしにもはっきりその足音の主の姿が見えてしまったのです。

もうわたしの恐怖は限界に達し、Y君の手を握って無理やり基地の方へ逃げようとしたのですがY君はビクとも動きません!

その時です! K君が呼んできたT先輩やみんなが駆けつけてくれたのです。

「何があった!」

先輩達の問いかけに説明している余裕などあるはずもなかったので「武士みたいなのがこっちに来る!本当だよ、本当に来るってば!」とわたしやK君がその方向を指差すと、先輩の誰かが「やばいぞ、こりゃやばい!すぐ逃げるぞ!」

Y君も顔は青いままでしたがなんとか動けるようになり、みんな一斉に基地へダッシュで戻りました。

その後は当然ですがその基地はボツになり、それと時を同じくして誰も基地をつくろうとは言わなくなりました。

Y君とわたしが見たものは今に思えば落ち武者だったと思います。

髪はふり乱れ、Y君のように顔が青白くて血だらけで黒と赤の鎧をまとい刀を抜いたままわたし達の方へゆっくりどっしりと歩いてくるあの姿をわたしはおそらく死ぬまで覚えているでしょう。

ドラマや映画みたいな合戦があったのは本当なんだ・・子供ながらにそう確信したのを今でも覚えているものです。

[ 2012/08/29 21:44 ] 怖い体験 | TB(0) | CM(0)

淋しい人

寂しい人


あれはまだわたしが小学校低学年のことでした。

わたしの家では毎年お盆になると母方の実家に親戚が集まる慣わしがありました。

わたしはかわいがってくれた祖母に会えるのを毎年楽しみにしていたものです。

普段はほとんど会えない親戚のお兄ちゃんやお姉さんやら、その日はもう楽しくて楽しくて。

夕方になるとみんなでお墓参りに行くのですが、お墓までは母方の実家から歩いて20分くらいの場所でした。

ぉ墓参りの後で途中にある駄菓子屋で何か買ってもらえるかも知れないので、子供の頃のわたしにはそれが本当の目的だったのかも知れません。

でもお墓に着くと大人たちを見習ってお線香をたてて手を合わせたり、お墓の周りの枯れ草を拾ったりお墓にお水をかけたりしていたものです。

わたしはお墓を見回していると、墓地の中央あたりに30体くらいのお地蔵さんが並んでいました。

祖母に「あのお地蔵さんなあに?」とたずねると「あれは無縁仏というのよ、身よりもなくて・・・」と教えてくれました。

わたしはなんだか子供ながらに不憫に思ったのかその無縁仏にもお線香をあげて手を合わせました。

「ゲン!もう帰るよ~」親戚のお姉さんが呼んでいたのでわたしはその無縁仏の前から立ち去ろうとしました・・

その時です、なんと無縁仏の中から白いモヤのようなものが噴出してだんだんそれが大きくなって白い着物を着た髪の長い女性が現れたではありませんか!

その女性はわたしにニコっと微笑みかけました。

わたしはもう怖くて怖くて全力疾走で祖母たちのほうへ走り出しました。

「ねえねえ、無縁仏から女の人がでてきた」わたしがみんなに言うと「何言ってるの」とみんな笑っていました。

わたしはおそるおそる後ろを見るとなんとその女性が地上から20cmくらい浮いたままわたしの後をついてくるのです。

「ねえ、ほんとだって! ボクの後をついてきてるよ!」わたしは必死に訴えました。

しかし「また驚かそうと思って」と相手にしてもらえません。

わたしはよくお姉さんやお兄ちゃんやおばさんにゴムのムカデやクモを急に投げつけたりしてビックリさせて楽しむ趣味があったのが信じてもらえない原因だったと今は考えるものです。

オオカミ少年のような状況に追い込まれていたわたしはそれでも必死に訴えました!

すると祖母が来て「本当ね、きっとゲンちゃんがお線香あげて手を合わせたりしたから優しい人だと思ってついて来たのね」

わたしはそのまま祖母と手を繋いで後ろを振り返ることなく硬直したように前だけ見て歩いていきました。

もう駄菓子屋のことなど頭にはありませんでした。

実家が見えてきたのでおそるおそる後ろを見ると、なんとまだうっすらと笑みを浮かべたまま女性がついてきているではありませんか!

わたしはそれでも無視してすぐに実家にあがり仏壇の前で「ご先祖さま、助けてください! もうイタズラもしません!」と必死でお祈りしてからそーっと庭を見てみるともうその女性はいませんでした。

今だから言えるのですが、きっとあの女性は一人ぼっちで淋しかったのでしょう。

そんな時に手を合わせてお線香まであげたわたしを見て、きっとこの人なら・・と思ったのでしょう。

今でもそうですが、わたしはハゲでもお坊さんではないので手を合わせたりする以外には完全な供養などできないものです。

わたしもそうですが人間は絶望の淵にある時、誰かに優しくされると嬉しくて嬉しくてたまらなくなるものです。

きっとあの女性も淋しくて淋しくて仕方なかったのでしょう。

今でも顔をはっきり覚えていますが、端整な顔立ちでとても綺麗で清楚な感じの女性でしたよ。

もうあれから何十年経ったでしょうか、あの女性が成仏していることを願わずにはいられないものです。

[ 2012/08/23 20:34 ] 怖い体験 | TB(0) | CM(0)